「CRCと臨床試験のあり方を考える会議」は、臨床試験に関わる様々な職種の交流を促進し、情報を共有することで、多様な観点から議論を深めるための貴重な場であり、今や3000人近くの参加者が集う大規模な会にまで成長しました。特に我々CRCにとっては数少ない大切な自己研鑽の機会となっており、この会を育み、ここまで発展させてくださった諸先生方には感謝の言葉もありません。この会が発足して10年が過ぎた今、「CRC自らこの会の運営を担う」という気運の高まりを受け、第12回会議はCRCが主体となって開催するという新たな一歩を踏み出しました。いまだ社会的にも、また施設の中でも不安定な立場にある「CRC」という職種が、これまで同様に充実した会を運営することができるのか、不安な気持ちもありますが、『チャレンジ』の気持ちを大切に、多くの皆様のお力をお借りすることで実りある会となるよう精一杯努力したいと思います。
今回のテーマは「日本のプレゼンス向上を目指して 〜臨床研究に関わるすべてのメンバーの絆で〜」とさせていただきました。我が国の治験や臨床試験の環境を改善し、厳しい医薬品開発の国際競争の中でも日本のプレゼンスを高く掲げるためにはCRC、医療機関のスタッフ、治験依頼者・CROなどの企業、ならびに規制当局の皆様方で作る大きな輪に、被験者の方々も加わっていただき、一丸となって力強く進んでいく必要があると考えます。
さて、第12回会議での「臨床研究に関わるすべてのメンバーによって、日本のプレゼンス向上を考える」というコンセプトに近づけるべく、今年度は今までにはない以下のような試みを行いました。
まず、プログラム委員会に医療機関側、SMO、CRO、製薬企業のメンバーだけではなく、新たにPMDAの方々にも参加していただき、全体の企画のほか個別のシンポジウムにも加わっていただきました。また、公開座談会や対話集会などの企画も設け、規制当局の方々も含めて臨床試験に関わる人々が一同に集まって議論ができるように工夫いたしました。
一般演題に関しては、最も「引き付けられた」、「興味をそそられた」、「魅力的だ」と感じたポスターを参加した皆様方に直接選んでいただく“Award for Most Attractive Poster” という賞を設けました。さらに、多職種の構成メンバーによる優秀演題賞選考委員が“優秀演題賞”を選定することで、多様な観点から一般演題を評価する準備をしております。そして一般演題の会場では、飲み物を楽しみながら気軽な雰囲気でディスカッションを深めていただくために、ポスターディスカッションの時間帯にドリンクサービスを設けました。
9月1日夕からの情報交換会では、CRA、CRC、DM、監査などのメンバーによるJAZZ の演奏など、おもてなしの準備も進めてまいりました。
以上のような新しい企画を用意し、皆様のお越しを心からお待ちしております。
9月1日、2日の2日間で情報交換を超え、「結論を見出す」、または「それぞれが向かうべき方向性を見出す」ことが叶うことを願っております。