プログラム・日程

※プログラム内容や座長・演者および演題等は予告せずに変更する場合がありますので、ご了承ください。

日本の臨床研究や治験は、新たな活性化計画の浸透と各関係者の尽力によって徐々に世界の流れに追いつこうとしています。それは単に臨床現場で試験をこなすだけでなく、基盤となるスタッフの教育や基本業務の標準化、組織やネットワークの体制整備、被験者保護や倫理審査の質向上、IT活用による業務の効率化など、多くの議論を行ってきた成果といえます。そしてそれらは今後もさらに推進していく必要があります。

今年のあり方会議のプログラムでは、多様性あふれる臨床試験の現場において、現場のCRCやCRA、医療関係者のほか、患者さんや規制当局も加わりさまざまな視点から議論を組み立ててまいります。プログラムの概要とタイムテーブルをご覧いただき、当日の聴講スケジュールをご検討ください。なお、今回は抄録のPDFファイルをホームページに掲載し、参加者のみに配布されるパスワードを用いて各自ダウンロードできるようにします。あり方会議においても「資料の電子化」を実践します。ご自身のタブレット端末やスマートフォンで電子抄録集をご活用ください。

従来のシンポジウムでは、セッションの時間が不足して十分な議論ができなかったという声も聴かれました。今回はひとつのセッションを2時間または2時間半と少し長めに設定し、各演者から十分なご講演をいただきつつ、会場の皆様と共に深い議論を進めて参ります。また、興味深いセッションが同じ時間帯に重なってしまうことの対策として、会議終了後、講演に使用された資料を抄録集と同様一定期間ホームページ上に掲載し、パスワードを用いてダウンロードできるようにいたします。参加がかなわなかったセッションにおいて、資料だけでも共有し、今後の業務に役立てていただければ幸いです。

この会議はもはやCRCだけのものではありません。臨床試験を通じて日本の医療をよくしたいとお考えの関係者の皆様、臨床研究や治験に携わる多くの皆様のご参加・ご討論をお願い申し上げます。

プログラム委員長 氏原 淳

※抄録集のPDF版をこちらからダウンロードできます。
抄録集のダウンロードには、参加証に記載されているIDとパスワードが必要です。

タイムテーブル

※講演資料のPDFを、各演題をクリックすることでダウンロードできます。
資料ダウンロードには、参加証に記載されているIDとパスワードが必要です。

1日目 2013年9月15日(SUN)

  東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート ヒルトン舞浜ベイ 東京ベイ舞浜ホテルCR
時間 第1会場
(1026名)
第2会場
(666名)
第3会場
(336名)
第4会場
(1026名)
ポスター・
企業展示会場
8:00          
           
8:30          
          ポスター
貼付
(8:45〜)
9:00 開会式      
         
9:30 1
倫理審査委員会の質について考える
(教育セッション 2.0hr)
2
そろそろ本気で取り組もう!「治験関連文書の電子化」
(シンポジウム 2.0hr)
3
希少・難治性疾患および小児疾患の治験・臨床研究の推進に向けて
(シンポジウム 2.0hr)
4
これからのモニタリングについて考えよう!
(シンポジウム 2.0hr)
ポスター
展示

企業展示
※ITシステムプレゼンテーション
15:45〜17:15
ダンスホール内特設スペースにて開催
 
10:00
 
10:30
 
11:00
 
11:30        
         
12:00 お昼どきセミナー  
   
12:30        
         
13:00 5
臨床試験に患者さんは何を期待しているのか
(シンポジウム 2.5hr)
6
同意取得、同意撤回等に対する考え方
(シンポジウム 2.5hr)
7
ICH-GCP水準の臨床研究へのCRCの関わり
(シンポジウム 2.5hr)
8
治験をめぐる「こまった」を解決しよう!
(シンポジウム 2.5hr)
 
13:30
 
14:00
 
14:30
 
15:00
 
15:30        
         
16:00         ポスター
討論
60分間
         
16:30        
         
17:00          
           
17:30   公開座談会
※公開座談会への参加方法、詳細はこちらをご覧ください。
     
         
18:00        
         
18:30        
         
19:00 情報交換会
※情報交換会への参加方法、詳細はこちらをご覧ください。
       
         
19:30        
         
20:00        
         
20:30          
           

2日目 2013年9月16日(MON・HOLIDAY)

  東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート ヒルトン舞浜ベイ 東京ベイ舞浜ホテルCR
時間 第1会場
(1026名)
第2会場
(666名)
第3会場
(336名)
第4会場
(1026名)
ポスター・
企業展示会場
8:00          
           
8:30          
           
9:00 9
臨床研究・治験活性化5か年計画2012の実現に向けて
(シンポジウム 2.5hr)
10
新たな価値が創出できる仕組み作りをめざして
(シンポジウム 2.5hr)
11
臨床研究・治験に携わるスタッフの人材育成とその確保に向けて
(シンポジウム 2.5hr)
12
海外規制当局による日本の医療機関への査察の動向
(シンポジウム 2.5hr)
ポスター
展示

企業展示
 
9:30
 
10:00
 
10:30
 
11:00
 
11:30        
         
12:00 お昼どきセミナー  
   
12:30        
         
13:00 13
CRCやCRAが治験担当医師と良好な関係を築くために
(シンポジウム 2.0hr)
14
新時代の治験薬マネジメント
(シンポジウム 2.0hr)
15
治験で得られる安全性情報の限界。製造販売後の医薬品安全性対策を考える
(教育講演 50min)
17
日本の国際競争力を高めるためにできること
(シンポジウム 2.0hr)
 
13:30
   
14:00  
  16
治験における有害事象の取り上げ方と評価について
(教育講演 50min・
14:10〜)
14:30
 
15:00         ポスター
撤去
  閉会式
(15:15〜)
     
15:30          

お昼どきセミナー(お弁当購入者優先)

お昼どきセミナーのプログラムは以下の通りです。

なお、お昼どきセミナーのご参加は参加登録時にお弁当を予約いただいた方が優先となります。お弁当を予約されていない方は、予約いただいた方のご入場後、会場に余裕がありましたら参加いただけますので、あらかじめご了承ください。

2013年9月15日 12:00~12:40 第1~3会場

セミナー1:
治験促進センターが公開する治験業務支援システム-カット・ドゥ・スクエア-
演者:丸山 由起子(日本医師会 治験促進センター)
セミナー2:
企業と人~ファイザーの人財育成制度について~
演者:梅田 一郎(ファイザー株式会社 代表取締役社長)
座長:久保田 篤司(第13回あり方会議 運営委員長;東京医療センター)
セミナー3:
臨床開発のグローバル化 -日本はかわいそうな国か
演者:小野 俊介(東京大学大学院 薬学系研究科 医薬品評価科学教室准教授)
座長:中島 唯善(日本製薬工業協会 臨床評価部会 部会長)

2013年9月16日 12:00~12:40 第1~3会場

セミナー4:
プラセボについて考える
演者:中野 重行(大分大学医学部 創薬育薬医療コミュニケーション講座・教授)
座長:神谷 晃(香川学園 理事長)
セミナー5:
グローバルの監査事例を交えたQuality Management の考え方について
演者:湯川 吉博(バイエル薬品株式会社 信頼性保証本部 薬務監査部長)
座長:千堂 年昭(岡山大学病院 薬剤部 教授・薬剤部長)
セミナー6:
仕事を楽しくこなして『スーパービジネスパーソン』になるコツ
演者:ホーライ(架空の製薬企業:ホーライ製薬社長)
座長:氏原 淳(第13回あり方会議 プログラム委員長;北里研究所病院)

※演者および演題等は予告せずに変更する場合がありますので、ご了承ください。

1 教育セッション

9月15日 9:30~11:30 第1会場

倫理審査委員会の質について考える

座長
森下 典子(国立病院機構大阪医療センター 臨床研究センター 臨床研究推進部 臨床研究推進室)
笠井 宏委(京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター 開発企画部)
講演1:
改めて、倫理審査委員会のあり方を考える
田代 志門(昭和大学 研究推進室)
講演2:
倫理審査委員会の質を向上するための取り組み ─ 審査委員と委員会事務局の役割分担 ─
山下 紀子(国立がん研究センター早期・探索臨床研究センター臨床試験支援室/研究倫理審査委員会委員長補佐)
講演3:
日本の倫理審査委員会の課題が多すぎる件について:草の根交流から学ぶこと
武藤 香織(東京大学 医科学研究所 公共政策研究分野 )
講演4:
海外の臨床研究を巡る倫理審査委員会ならびに規制の動向
藤原 康弘(国立がん研究センター 企画戦略局)

平成24年度より、国の臨床研究・治験推進に関する施策は新たなステップへと進んでいる。アベノミクスの3本の矢の1つである「成長戦略」の中には、「研究開発、イノベーション推進」があり、「医療関連イノベーションの促進」が進められている。これまで重点的に体制整備を進めてきた後期開発の治験に加え、これからは日本発の革新的医薬品・医療機器の開発に向けての取組みや、早期段階の臨床試験、医師主導治験の増加が予想される。

臨床研究が新しい局面を迎えている今こそ、被験者保護はますます重要になり、倫理審査委員会が担う責任と役割は一層大きくなってきている。

平成25年度には、「臨床研究に関する倫理指針」の改正が予定されており、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」(平成24年3月30日文部科学省・厚生労働省)には、その点について、被験者保護の在り方について法制化を含めた議論を開始することや、国等による倫理審査委員会の認定制度(倫理審査委員会の質を保証するシステム)の導入、臨床研究の質について規定すべきかどうか検討を行うこと等が記載されている。 さらに、今後、早期・探索的臨床試験を実施していくためには、倫理審査委員会の委員にも、後期治験では求められなかった非臨床試験等の新たな知識が求められている。

本セッションでは、審査の質を向上するための方策や委員の役割、審議のあり方等、今後の展望について、海外の状況とも比較しながら考えてみたい。

2 シンポジウム

9月15日 9:30~11:30 第2会場

そろそろ本気で取り組もう!「治験関連文書の電子化」
~セキュリティ、電子保管、書類授受をテーマに~

座長
丸山由起子(日本医師会 治験促進センター)
松下 敏(日本製薬工業協会 臨床評価部会)
講演1:
書類授受に要求されるセキュリティについて
光山 慶(デジタルアーツ株式会社 エンタープライズマーケティング)
講演2:
電子書類の保管について(外部ストレージの安全性等)
本田俊哉(株式会社日立製作所 ソリューション推進本部)
講演3:
医療機関としての電子化の取組み
杉本 喜久(滋賀医科大学附属病院・臨床研究開発センター/医療情報部)
講演4:
治験依頼者の電子化に対する考え方と取組み
藤岡 慶壮(日本製薬工業協会 臨床評価部会)

臨床研究・治験活性化5か年計画2012ならびにアクションプランでは、ITシステムを利用した治験関連業務の効率化が明確に挙げられており、IT技術の更なる活用が求められている。それに呼応するように、臨床研究ならびに治験を実施する現場において、ITシステムの発展により、電子情報を活用した書類作成の効率化や訪問回数の削減などリソース削減に効果的であるとし、各所で様々な電子機器・ITシステムを利用した取組みが実施されている。

一方で、電磁的記録の保管においては、紙と同様に長期保管が必要とされ、セキュリティ(信頼性)を含めた保管体制が問われることは必至である。しかし、情報が可視化されない電磁的記録の保管等の信頼性の担保は、システムの技術的な要件および運用者の方針に依存するため、関係者間での合意を得ることが難しく、実際の電子情報が効果的に活用されたり、共有されたりしていないのが現状である。

そこで、本シンポジウムでは、セキュリティ、長期保管等に関し、実際の要求事項と開発状況をIT企業より、実際の治験現場のITシステム活用の実例や取組みを医療機関ならびに治験依頼者より講演し、今後のあるべき姿を協議し、関係者の意識や方向性について提案していきたい。

3 シンポジウム

9月15日 9:30~11:30 第3会場

希少・難治性疾患および小児疾患の治験・臨床研究の推進に向けて

座長
玉浦 明美 (国立精神・神経医療研究センター病院 治験管理室 )
中村 治雅(医薬品医療機器総合機構 新薬審査第三部)
講演1:
患者レジストリーと連携した希少疾病を対象とする治験ネットワーク、「筋ジストロフィー臨床試験ネットワーク」の目指すもの
小牧 宏文(国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科)
講演2:
尿素サイクル異常症に対するブフェニール®の国内開発の経験
烏山 祐之(シミックホールディングス株式会社 IPDカンパニー新規事業企画部)
講演3:
小児臨床研究・治験推進におけるCRC支援の現状と課題~小児NWの活用をめざして~
友常 雅子(東京都立小児総合医療センター・臨床研究支援センター)
講演4:
希少・難治性疾患の薬剤開発の支援について
中村 栄作(一般社団法人こいのぼり)

国内外において、臨床研究の基盤整備として取り組むべき課題の一つに、患者数が少なく開発の進みにくい難病・希少疾病や小児等の領域における医薬品・医療機器の開発推進があげられる。

臨床研究・治験活性化5カ年計画2012(平成24年3月30日 文部科学省・厚生労働省)においても、開発が進みにくい分野として、小児疾患、希少・難治性疾患が取り上げられ、今後の取り組み強化がうたわれた。また、症例集積性の向上を目的に、「疾患に応じた治験ネットワークの構築」が中・長期的目標に掲げられており、特に小児疾患、希少・難治性疾患において、今後重要になると思われる。

現在の臨床現場の取り組みとして、平成22年11月には小児治験ネットワーク発足、そして平成24年12月には、希少疾病のネットワークのモデルとなるべく、疾患レジストリーと連携した筋ジストロフィー臨床試験ネットワークが発足し、医師主導治験や臨床研究をすすめている。

この現状を受け私達CRCは、治療法を待ち望む患者・家族に対して最新の臨床研究・治験に関する知識を身につけ情報提供や相談窓口を担う必要がある他、医師主導治験及び国際水準の臨床研究に対し、プロトコル立案時からの参画、国際共同治験などでの国際水準での臨床研究支援、多施設共同臨床試験実施時における施設間コーディネート等のより高度なスキルが必要とされる。

このセッションでは、医師・企業・CRCの立場から希少・難治性疾患および小児疾患の医薬品開発に向けた現状の取組と課題について、また医療の現場と企業との橋渡しを行っている患者団体の立場から活動の状況をお話しいただき、日本発のイノベーションの進展、実用化のために臨床研究コーディネーターに求められる役割についてディスカッションをしたい。

4 シンポジウム

9月15日 9:30~11:30 第4会場

これからのモニタリングについて考えよう!

座長
小居 秀紀(東北大学病院 臨床試験推進センター ネットワーク部門)
井上 和紀(日本CRO協会)
講演1:
モニタリング実施状況アンケート調査結果について
井上 和紀(ACメディカル株式会社 臨床開発事業部)
講演2:
On/Off-site Monitoringの適正化
辻本 朋美(欧州製薬団体連合会 臨床部会)
講演3:
医療機関における原資料マネジメントとリモートSDVの利用について
山谷 明正(国立病院機構医王病院 薬剤科)
講演4:
新たなモニタリング手法の実践
~リスクベースドモニタリングを中心として~
舟山 景士(ノバルティスファーマ株式会社 オンコロジー開発推進部)
講演5:
「リスクに基づくモニタリング」を俯瞰してみましょう
小宮山 靖(日本製薬工業協会 データサイエンス部会)

日本の治験コストは未だ高いと言われ、モニタリングに掛かる人件費や交通費についても着目し効率化を進める必要がある。臨床研究・治験活性化5か年計画2012において、「短期的に目指すこと」としてサンプリングSDVのあり方の検討も含めモニタリング業務の効率化を目指すとしている。また、リモートSDV実施に向けた調査・研究があげられている。

2011年にFDAより発出されたRisk Based Monitoringに関するドラフトガイダンスにおいては、モニタリングの実施責任を果たすため、治験依頼者が多様な手法を使うことができることを明確化にして更なる効率化を目指している。

本シンポジウムでは、先ずCRAを対象に実施したモニタリングの実施状況に関するアンケート調査結果を基に現状把握を行います。その上で、実施医療機関で行うモニタリング(On-Site)と実施医療機関外で行うモニタリング(Off-Site)の適正化方法、近年普及しつつあるリモートSDVの効果的な活用方法、また国内でも実施されつつあるRisk Based Monitoringについて説明し、On-Site/Off-Siteモニタリングの適正化について議論する。

※モニタリングに関するアンケート調査結果をダウンロードできます。
ダウンロードには、参加証に記載されているIDとパスワードが必要です。

5 シンポジウム

9月15日 13:00~15:30 第1会場

臨床試験に患者さんは何を期待しているのか
~患者さんの声を聞いて、みんなで何ができるか考えてみよう~

座長
天野 慎介(一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン)
片木 美穂(卵巣がん体験者の会スマイリー)
講演1:
このシンポジウムの目的
片木 美穂(卵巣がん体験者の会スマイリー)
講演2:
臨床試験に関する期待~医療制度~
天野 慎介(一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン)
講演3:
臨床試験に関する期待~患者へのアプローチ~
桜井 なおみ(特定非営利活動法人HOPEプロジェクト)
講演4:
臨床試験に関する期待~難治性がん~
眞島 喜幸(特定非営利活動法人パンキャンジャパン)

厚生労働省がん対策推進協議会の議論をとりまとめた「第2期のがん対策推進基本計画」が2012年6月に内閣で閣議決定されました。がん対策推進基本計画の中にはがん研究の問題が大きく取り上げられ、臨床試験など研究を進めることへの期待・取り組むべき方向性等が記載されています。しかし、残念なことに臨床試験について患者さんの意識や理解度はまだまだ低く、臨床研究に関する同意を得ることが難しいなど課題が多くあります。

「患者中心の医療という言葉」を耳にする機会が増えてきている中、臨床試験において患者は何を感じ、期待しているのかということをテーマに3人の患者さんにお話いただきます。パネルディスカッションでフロアからも積極的にご意見や質問を求め、患者・医療に携わる人たちみんなで臨床試験を進めるために何ができるのかを考える機会にしたいと思っています。このシンポジウムは座長も演者もすべてがん患者です。ぜひ積極的な参加をお願いいたします。

このシンポジウムはTwitterやFacebookによる情報発信を容認しますので、ご参加の際はその旨ご了解ください。

会場から自由に情報発信していただいて結構ですが、個人や特定団体を誹謗中傷する内容は書き込まないでください。

取り扱う電子機器の操作音・着信音は消しておいてください。

このセッションに限り、スライド資料は画面に「撮影禁止」の表示がない限り撮影可能とします。ただし、著作権は各作成者が保持していることにご留意ください。

6 シンポジウム

9月15日 13:00~15:30 第2会場

同意取得、同意撤回等に対する考え方

座長
柏木 政宏(医機連/コヴィディエンジャパン株式会社)
赤堀 眞(東京大学医学部附属病院臨床研究支援センター)
講演1:
同意撤回後の被験者保護について ─ 企業の立場から ─
谷岡 寛子(京セラメディカル株式会社 薬事開発部)
講演2:
医療機器治験の説明と同意:医療機関での問題点と対応
山本 晴子(国立循環器病研究センター先進医療・治験推進部)
講演3:
医療機器の臨床研究参加にかかる同意取得と撤回 ─ 研究倫理の立場から ─
丸 祐一(東京大学医科学研究所公共政策研究分野・千葉大学医学部附属病院臨床試験部)※論文化を控えているため講演資料非公開
講演4:
臨床研究の同意取得、同意撤回に係る問題点と今後の方向性 ─ 研究者の立場から ─
渡邊 裕司(浜松医科大学医学部 臨床薬理学・臨床薬理内科)
講演5:
被験者の立場で考える同意取得と撤回のあり方
山口 育子(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML)

ヒトを対象として実施される臨床研究における被験者の同意と撤回は、ニュルンベルク網領以降、研究倫理の原則である。製造販売承認申請書に添付される臨床試験成績を収集するために実施される臨床試験(治験)においても、倫理的原則及び医療機器/医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(以下、GCP省令)に基づき、被験者となるべき者の自由意志に基づいた文書による同意を得ること、被験者の治験への参加を随時拒否又は撤回することができることを説明文書にて被験者となるべき者に説明することが要求されている。

しかしながら、被験者が治験への参加を随時拒否又は撤回するために必要な事項及び考え方は、治験に携わる者の間で必ずしも一定の知見を得られていない。日本医療機器産業連合会臨床評価委員会では、補助人工心臓を含む体内植込み型医療機器等の治験で得た経験より、被験者が治験への参加を拒否叉は同意撤回した場合、治験依頼者が経過観察データを入手できないという問題の他に、使用されている機器の交換の可能性、継続使用する場合のメンテナンス、参加を取りやめた後に発生した当該治験機器に関連する不具合等に関する取扱い、被験者に対して発生する費用負担等の被験者の保護に関連する問題について検討を継続している。

今回、「同意取得、同意撤回等に対する考え方」と題し、医療機器治験のみならず臨床研究全般を対象として、同意取得時に留意すべき事項、同意撤回のあり方等に対する現状での問題点を考慮しつつ、被験者の視点での見解も踏まえ、医療機器及び医薬品等の臨床試験(治験)に携わる者が責任を全うするために必要な基本的な考え方及び今後の方向性について協議し、関係者が共通理解を持つ機会としたい。

7 シンポジウム

9月15日 13:00~15:30 第3会場

ICH-GCP水準の臨床研究へのCRCの関わり
~信頼性の高いエビデンスを発信しよう~

座長
河野 健一(先端医療振興財団 臨床研究情報センター)
川上 和子(ノイエス株式会社 事業開発推進部 臨床試験推進G)
講演1:
市販後臨床試験の意義と研究の質を担保するための条件
上嶋 健治(京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター EBM推進部)
講演2:
ICH-GCP準拠の臨床試験を実施するための基盤整備 ─ SUCCESS研究事例を通じて ─
藤居 靖久(千葉大学医学部附属病院 臨床試験部)
講演3:
質の高い臨床研究実施への製薬企業の役割
吉田 義一(中外製薬株式会社 メディカルサイエンス部)
講演4:
ICH-GCP水準の臨床研究へのCRCのダイバーシティな対応 ─ COPE Trialを経験して ─
比企 理恵(株式会社綜合臨床サイエンス 東日本第一事業部 埼玉オフィス)

新規の医薬品・医療機器の開発の他に、市販後のエビデンスの創出や、複数の治療法を組み合わせて行う集学的治療等の医療技術の向上のため、様々な臨床研究が行われている。欧米では治験に限らず臨床試験は全てGCPレベルで実施され、一定の質が保証されている。日本においては、治験以外の臨床研究は、「臨床研究に関する倫理指針」の遵守が求められているものの、データに関する規定は厳格でなく、信頼性の確保が課題となっている。

最近では専門家からの提言により臨床試験はGCP準拠で行う方向で進み、また、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」の発出に伴う施策等により、ICH-GCP準拠の臨床研究は増加しつつある。しかし、様々な理由により十分なモニタリング・監査は実施できず、また記録の保存の基準が無いなど、まだまだデータの信頼性が低い状態であると言わざるを得ない。その一方で、ICH-GCP水準で実施すべき臨床研究の範囲について検討が進められている。

このような状況下で、実施体制の整備を含め、現場で実務を行っているCRCはどのように支援していけば良いのか、困惑しているのが実情である。本セッションでは、市販後の臨床エビデンスを構築する臨床研究を題材に、質の高い臨床研究を実施する上での課題を各サイドから発表を頂く。その上で、国際レベルの臨床研究を推進するため、CRCはどのように支援していくべきかを討論する。

8 シンポジウム

9月15日 13:00~15:30 第4会場

治験をめぐる「こまった」を解決しよう!
~医療機関、治験依頼者とPMDAのKAIZENへの協働作業~

座長
川名純一(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部)
白鳥 敬子 (ブリストル・マイヤーズ株式会社 薬事統括部)
講演1:
国立病院機構本部における治験実施の問題点とその工夫
清水 裕子(独立行政法人国立病院機構本部 総合研究センター 治験研究部 治験推進室)
講演2:
治験における問題点の根本的解決を図るには~Quality Managementの世界~
亀倉 聡一郎(MSD株式会社 ジャパンクリニカルクオリティマネジメント)
講演3:
治験実施医療機関における留意点~GCP実地調査の視点~
鈴木 加奈子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部)
パネリスト:
医療機関(治験責任医師):熊谷 雄治(北里大学)
SMO(CRC):小笹 絵美(ノイエス株式会社 スタディオペレーション部)
治験依頼者(モニター):青木 孝仁(日本製薬工業協会 臨床評価部会)
CRO(モニター):石神 竜太郎(シミックホールディングス株式会社 経営企画本部)
PMDA:大澤 智子(PMDA 信頼性保証部)

PMDAはGCPに規定される原資料から、治験が被験者の人権、安全、福祉の向上を図り、治験実施計画書を遵守して実施され、科学的な質と成績の信頼性が担保されているかを検証するため、治験を実施した医療機関を訪問してGCP実地調査を実施している。PMDAがGCP実地調査において「改善すべき事項」として医療機関に通知した件数及び医療機関数はここ数年減少傾向にある。しかし、医療機関では、治験や製造販売後臨床試験をめぐり、少なからず様々な悩みを抱えながら日々取り組んでいるのが実情である。治験等を実施する医療機関において「今、こまっていること」をどのように解決するか、治験等に関わる多様なプレーヤーで知恵を出し合い、それを共有することが本シンポジウムの目的である。

本シンポジウムでは、まず、医療機関のCRC、治験依頼者の品質保証担当者及びGCP実地調査を行うPMDA調査員から、治験等を実施する医療機関で「こまっている」事例やその解決策、改善への取り組み、オススメの工夫などについて、それぞれの視点から紹介したい。その後、パネリストも加わり、多様な治験等のプレーヤー〔医療機関(責任医師、CRC、SMO)、依頼者(モニター、品質保証担当、監査担当、CRO)、PMDA(信頼性保証部)〕で、医療機関におけるよりよい治験等の実施に向けたKAIZENへの取り組みについて共に考えたい。会場内の参加者ともこれら取り組みについて共有し、自施設におけるKAIZENに活かせるヒントを収集していただければと思う。

9 シンポジウム

9月16日 9:00~11:30 第1会場

臨床研究・治験活性化5か年計画2012の実現に向けて
~アクションプランを実行するのは私たちです!~

座長
佐藤 典宏(北海道大学病院 高度先進医療支援センター)
後澤 乃扶子(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 治験管理室)
講演1:
厚生労働省によるアクションプランの実現に向けた取組み
河野 典厚(厚生労働省医政局研究開発振興課)
講演2:
文部科学省によるアクションプランの実現に向けた取組み
彦惣 俊吾(文部科学省研究振興局ライフサイエンス課)
講演3:
治験依頼者によるアクションプランの実現に向けた取組み
青木 寛(日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会)
講演4:
治験促進センターによるアクションプランの実現に向けた取組み
丸山 由起子(日本医師会治験促進センター・研究事業部)
講演5:
治験手続きの効率化 -依頼者として貢献出来る事-
青野 寛之(クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社クリニカルオペレーション統括部)
講演6:
一般利用者の視点に基づく臨床試験コンテンツ作成とポータルサイト構築に関する研究〔厚生労働省科学研究費補助金〕
有田 悦子(北里大学薬学部 薬学教育研究センター医療心理学部門)
講演7:
独立行政法人国立国際医療研究センター病院における「臨床研究・治験活性化5か年計画2012アクションプラン」に対応したコスト適正化への取組み
川崎 敏克(独立行政法人国立国際医療研究センター臨床研究センター臨床研究支援部治験管理室)
講演8:
国立がん研究センターにおける臨床研究の内部監査
石橋 利信(国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター 臨床試験支援室)
講演9:
臨床研究・治験における大規模災害発生時の対応指針の作成〔厚生労働省科学研究費補助金〕
武田 和憲(国立病院機構仙台医療センター)

平成24年3月30日に厚生労働省・文部科学省より「臨床研究・治験活性化5か年計画2012 (以下「5か年計画2012」という)が発出された。その後「5か年計画2012」の項目毎に「目標」「実施主体」「具体的な取組内容」および「スケジュール」を示した「臨床研究・治験活性化5か年計画2012 アクションプラン」(以下「アクションプラン」という)が取りまとめられた。

「5か年計画2012」では、従来の活性化計画で残された課題の解決を図ることや、臨床研究の体制整備を進めることを目指している。

臨床研究・治験に携わるすべての関係者が「5か年計画2012」ならびに「アクションプラン に記載している内容をできるところから取組み、実行することは、将来、臨床研究や治験に参加する患者さんや同じ道を志す後輩達に、より良い臨床研究・治験環境を残すことになり、それは現役の私達の役割であると考える。そして、そうした日々を積み重ねることにより、以下の3つの目標を達成し、日本の医療水準の向上と日本発のエビデンスを世界に発信していくことに貢献していきたい。

1.日本の国民に医療上必要な医薬品、医療機器を迅速に届ける。

2.日本発のシーズによるイノベーションの進展、実用化につなげる。

3.市販後の医薬品等の組み合わせにより、最適な治療法等を見出すためのエビデンスの構築を進める。

本セッションでは「アクションプラン」に焦点をあてて、それぞれの立場の方に「アクションプランの実現に向けた具体的な取組内容」をご紹介いただき、日本における「5か年計画2012」ならびに「アクションプラン」の推進のために、参加者の方が現場で実行可能な取組について、ディスカッションしていただく場にしたいと考えている。

10 シンポジウム

9月16日 9:00~11:30 第2会場

新たな価値が創出できる仕組み作りをめざして
~ダイバーシティ・マネジメントによる人財確保へ~

座長
渡部 歌織(東京大学医学部附属病院 臨床研究支援センター)
麻生 圭子(日本看護協会 湘南鎌倉総合病院 治験センター)
講演1:
組織を活かすワーク・ライフバランス
~これからのダイバーシティ・マネジメントとは
村上 健太(株式会社ワーク・ライフバランス ワーク・ライフバランスコンサルタント)
講演2:
依頼者におけるダイバーシティの推進とは
藤原 朗子(MSD株式会社 人事部門 グローバル研究開発本部担当 HRビジネスパートナー)
講演3:
院内CRCの為の治験ネットワークマネジメント
土佐 好子(医療法人 徳洲会 東京本部 臨床試験部)
講演4:
看護管理を視点とした職務環境の多様性
吉村 浩美 (社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院看護部)
講演5:
ライフサイクルの変化の中でCRCとして働き続けるためには
永松 明美(東京大学医学部附属病院 臨床研究支援センター)

近年、臨床研究に携わる人材の職務環境は、グローバル治験や医師主導型の臨床研究のサポートなどに対応可能な、多種多様のスキルが求められ、年々変化している。少子高齢化により労働人口の衰退が予想される中、組織の生産性をあげ、優れた人材を確保することを目的として、『ダイバーシティ(多様性)・マネジメント』に取り組んでいる企業もある。しかし、臨床研究に携わる現場の人材の多くが女性ということも背景にあり、個性を活かした長期的な就業環境が整っておらず、ライフサイクルの変化による離職率が高いといわれている。「治験の国際化・効率化」の裏舞台では革新的な制度やシステム、考え方が必要であり、労働力の確保やスタッフのモチベーションの向上といった個性の価値観に、適切かつ効果的に対応するための工夫が求められている。そこでダイバーシティ・マネジメントの考えをもとに人材活用における合理性や公平性を見直すことにより、画一的な土壌に新しい風土を取り入れるための新たな発想や価値の創造などが実現できると考える。

本セッションは、ダイバーシティ・マネジメントがCSR(企業の社会的責任)の観点だけではなくリスク管理からも、経営者や現場の広範な取り組みであることをフロアの参加者と共有したい。また自身が求められる『人財』として能力を発揮するための革新的な組織作りに必要なことを提案していきたい。

11 シンポジウム

9月16日 9:00~11:30 第3会場

臨床研究・治験に携わるスタッフの人材育成とその確保に向けて
~質の高い臨床研究・治験を国際水準に基づき実施するために~

座長
近藤 直樹(国立病院機構 東京医療センター臨床研究・治験推進室)
里見 真輝(公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 臨床研究センター)
講演1:
臨床研究のための人材育成 医師をどのように育成するか
植田 真一郎(琉球大学医学部附属病院臨床研究支援センター)
講演2:
CRCの養成と確保
稲吉 美由紀(国立病院機構東京医療センター臨床研究・治験推進室)
講演3:
ローカルデータマネージャーの養成と確保
構木 泰信(山口大学医学部附属病院 薬剤部 臨床試験支援センター)
講演4:
モニターの養成と確保
小林 裕直(塩野義製薬株式会社臨床開発部)
講演5:
セントラルデータマネージャー/生物統計家の養成と確保
山口 拓洋(東北大学大学院医学系研究科医学統計学分野/東北大学病院臨床試験データセンター)

臨床研究・治験に携わるスタッフの人材育成とその確保については、「治験活性化3か年計画」の発出以降「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」が発出されるまでの9年間において、継続的かつ積極的に取り組むべき課題の一つとされている。これは、国際的に質の高い臨床研究・治験を実施するためには、人材育成とその確保は重要な鍵となり、課題の達成には多大なる時間や費用、さらには処遇や職場環境の問題等が山積しており、短期間で成果を出すことが困難なためである。そのような状況下、前述のような国の施策や関連学会・職能団体による活動、さらには個々の医療機関や製薬企業の日々の長年の努力により、CRC、CRA等の人材育成は着実に進んでおり、指導者として活躍する人材も出始めている。その一方、人材育成が期待以上に進んでいない職種もあり、その達成に向けた施策や活動が喫緊の課題となっている。

そこで、本シンポジストでは、人材育成に先駆的に活動されている各シンポジストより、臨床研究・治験に携わるスタッフの人材育成とその確保に向けた取り組みについてご紹介を頂き、特に人材育成に向けた乗り越えるべき課題と効果的な施策を提言して頂く。そして、これらの提言に対して、臨床研究・治験に携わるすべての関係者が情報を共有し、国際的に質の高い臨床研究・治験を実施するための人材育成とその確保に向け意見交換を行う。

12 シンポジウム

9月16日 9:00~11:30 第4会場

海外規制当局による日本の医療機関への査察の動向
~事例から学び、臨床試験の実際に役立つヒントを得よう~

座長
鈴木 由加利(新潟大学医歯学総合病院 生命科学医療センター ちけんセンター部門)
高橋 英司(欧州製薬団体連合会)
講演1:
海外規制当局による査察のオーバービュー ─ FDA及びEMA ─
大西 理佳(バイエル薬品株式会社 信頼性保証本部)
講演2:
FDA査察の経験と対策~医療機関の立場から~
久保 光子(杏林大学医学部付属病院 臨床試験管理室)
講演3:
FDA査察の経験と対策~依頼者の立場から~
宇佐美 昌代(ノバルティスファーマ株式会社 ディベロップメントクオリティアシュアランス部)
講演4:
EMA査察の経験と対策~医療機関の立場から~
川上 恭弘(岡山大学病院 新医療研究開発センター 治験推進部)
講演5:
EMA査察の経験と対策~依頼者の立場から~
須崎 恵子(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 オンコロジー臨床開発部)

近年、日本における国際共同試験の数が増加傾向にあるが、米国FDAや欧州EMA等の海外規制当局による査察を経験した医療機関はまだ多くない。日本の医療機関に対するFDA査察は2008年~2010年で6医療機関に行われたのみであり、EMA査察は2012年まで一度も行われていない。

海外査察官の実際については情報が乏しい中で、対策手段を講じようと、医療機関及び各依頼者(CRO)側も過敏に反応する傾向があったように感じる。そこでこの度のセッションでは国内の多くの医療機関が受けるPMDA適合性調査以外に、代表的な海外当局であるFDAとEMAの査察の概略について説明する。その後、FDAおよび国内において初めてEMA査察を受けた各々の医療機関と依頼者から其々の立場で、具体的な事前準備、当日の対応、査察の流れ、そしてICH-GCPに対応するために日本において必要な視点などを紹介する。本質的なInspectionの視点を理解し、総合討論において、皆様の疑問や戸惑いを1つでも多く解決・解消ができるように、長時間セッションを企画した。

今後、各施設が受け入れるであろう海外査察に関して医師・CRC・事務局担当者及び依頼者側の担当者そして当局担当者が適切に対応できる環境を整備するための情報共有の場となる事を期待する。また日本が捉えるICH-GCPの理念に沿った倫理的・科学的な臨床試験の実際に役立つヒントが得られるセッションとなるように会場の皆様を交えて討論をしたいと考える。

13 シンポジウム

9月16日 13:00~15:00 第1会場

CRCやCRAが治験担当医師と良好な関係を築くために
~素敵な責任医師に医師との上手な付き合い方を聞いてみよう!~

座長
山田 浩(静岡県立大学薬学部 医薬品情報解析学分野)
榎本 有希子(日本大学医学部附属板橋病院 臨床研究推進センター)
講演1:
今、なぜ治験をすべきなのか?
平山 篤志(日本大学医学部内科学系循環器内科分野)
講演2:
治験の醍醐味:外科医の立場から
高木 正和(静岡県立総合病院消化器センター外科)
講演3:
CRCとして治験担当医師と良好な関係を築くための秘訣
岡本 由香(サイトサポート・インスティテュート株式会社・東日本オペレーション本部)
講演4:
CRAとして治験担当医師と良好な関係を築くための秘訣
肥田木 康彦(コーヴァンス・ジャパン株式会社)

日本における国際共同治験の実施件数が増大する中で、以前にも増して Principal Investigator(治験責任医師)の役割や責務が重要になってきている。

更に日本国内でも米国FDAや欧州EMAなど規制当局の査察が実施され始め、治験の品質保証を確保するためにも、治験責任医師や分担医師による海外査察の対応やカルテなどの原資料の記録が重要課題となっている。

しかし、欧米に比べて日本の医師は治験業務に費やせる時間が少ないと言われており、治験担当医師が適正な記録を残し、適確な医学的な判断を下すためにも、CRCやCRAは短い時間で効率的に治験担当医師とコミュニケーションを取らなければならず、苦労したり、悩んだりしているCRCやCRAも少なくない。

そこで本シンポジウムでは、忙しい中で多くの治験を受託して、治験依頼者からの信頼も厚い素敵な治験責任医師にその領域における医師の特徴と上手な付き合い方を伝授いただき、また治験担当医師と良好な関係を築いているCRCとCRAにその秘訣を教えていただくこととした。

そして、総合討論ではCRCやCRAが治験担当医師と良好な関係を築くための方策をディスカッションして,日常業務に活かせるヒントを参加者の方に持ち帰っていただきたい。

14 シンポジウム

9月16日 13:00 〜15:00 第2会場

新時代の治験薬マネジメント
~Share Good Practices to Survive the Global Crisis~

座長
平山 清美(MSD株式会社 ジャパン クリニカルクオリティマネジメント)
講演1:
適合性調査の指摘事例を踏まえた治験薬の管理に係る問題提起
山崎 真弓(第一三共株式会社 日本開発統括部 QCグループ)
講演2:
治験薬管理に関する治験依頼者の事情
齊藤 常雄(ヤンセンファーマ株式会社 研究開発本部 トライアルマネジメント部)
講演3:
医療機関での取り組み~医療機関の立場~
久保田 有香(群馬大学医学部附属病院 臨床試験部)
講演4:
医療機関における治験薬管理への支援について〜SMO‐CRCの立場から〜
宮本 奈保子(株式会社 イーピーミント 大阪支店)
パネリスト:
鈴木 幸一(バクスター株式会社 薬制本部 監査グループ)

近年、治験薬のマネジメントはグローバル化の波を受けて新たな時代を迎えている。IVRSによる割り付け、宅配業者による直送、ボトル包装、厳密な温度管理、院内blinding・・・。しかし、治験薬な不適切な管理や誤処方/誤投与が適合性調査の指摘事例として増加傾向にある。治験薬の誤投与はデータとして採用できなくなるのみならず、被験者の安全性にも影響を及ぼす重大なプロトコール違反であるが、本問題の根本原因や背景は複雑であり解決は容易ではない。医療機関側からは、治験薬の包装及び割り付け方法の複雑化が根本原因としてあげられることが多いが、治験が国際化している中、国際競争力を維持しつつ本問題を依頼者側で解決することは非常に難しいのが現状である。

また、誤処方/誤投与が発生している事例は注射剤が多く、医療機関内で治験に直接関与していないスタッフとの連携も1 つの課題となっている。

治験薬マネジメントに関わる問題を解決する第一歩として、依頼者が抱えている事情を医療機関側と共有する、医療機関の努力を依頼者が理解することが重要である。本セッションでは、パネリストのみでなくフロアも含め発展的なディスカッション、アイデアの共有を行い、新時代の治験薬マネジメントに立ち向かうヒントを共有したい。

15 教育講演

9月16日 13:00~13:50 第3会場

治験で得られる安全性情報の限界…製造販売後の医薬品安全性対策を考える
~リスク管理計画を踏まえた使用成績調査の今後~

座長
渡邉 達也(北里大学北里研究所病院 バイオメディカルリサーチセンター)
講演1:
治験で得られる安全性情報の限界。製造販売後の医薬品安全性対策を考える
成川 衛(北里大学大学院薬学研究科 医薬開発学)

治験ではいわゆる「5Toos(too few、too simple、too narrow、too median-aged、too brief)」と言われているように非常に限られた条件の中で試験を実施するため、その中で全ての安全性情報等を得ることは難しい。また、近年では日本国内での治験症例数が少ない状況で承認される医薬品もあり、上市後の安全性情報の収集/対策が重要性を増してきている。

平成24年4月に「安全性検討事項」、「安全性監視(使用成績調査など)」および「リスク最小化」を柱とした医薬品のリスク管理計画指針が出された。それを受け、従来の使用成績調査による安全性情報の収集のみならず、RMP(Risk Management Plan:リスク管理計画)の下でのより積極的な「安全性監視の活動」が求められている。これにより、治験段階で得られなかった安全性の問題を早期に発見および情報公開等の対策をとることで、上市後の安全対策につながるものと期待されている。

本教育講演では特に安全性監視に焦点を当て、日本における使用成績調査の現状や問題点やリスク管理計画で先行している欧米の状況を紹介し、今後、日本におけるRMP活動や使用成績調査を中心とした安全性監視活動の方策について考えたい。

16 教育講演

9月16日 14:10~15:00 第3会場

治験における有害事象の取り上げ方と評価について

座長
小林 真一((昭和大学 臨床薬理研究センター)
講演1:
治験における有害事象の取り上げ方と評価について
原 嘉宏(一般財団法人 日本製薬医学会)

治験薬・医薬品の安全性の管理は医学的な側面はもとより、日米欧で合意された高度に組織化されたルールのもとに行われている。そのルールは製薬業界ならびに規制当局ではあらゆる行動の前提となっている。一方、データを生産する医療現場ではそのルールが共有されないためにため、齟齬をきたすことがしばしばある。しかし、正しいAction(行動)のために質の高い安全性のデータベースの構築は欠かせない。

本教育講演では日米欧で合意されたICHのガイドラインの内、個別症例報告に関するものを取り上げ、医薬品開発におけるこれらの報告の重要性について具体的な事例を交えて解説するとともに、MedDRA用語選択のルールについても解説する。

17 シンポジウム

9月16日 13:00~15:00 第4会場

日本の国際競争力を高めるためにできること
~治験を取り巻く国際動向の変化を踏まえて~

座長
楠岡 英雄(国立病院機構大阪医療センター)
花村 伸幸(米国研究製薬工業協会)
講演1:
臨床研究・治験活性化5か年計画2012アクションプラン
楠岡 英雄(国立病院機構大阪医療センター)
講演2:
国際共同治験における日本の国際競争力の現状と改善にむけた取り組みについて
延山 宗能(米国研究製薬工業協会)
講演3:
国際競争力強化に向けたネットワークの取り組み
山岸 美奈子(独立行政法人国立病院機構本部 総合研究センター治験研究部治験推進室)
講演4:
海外における治験費用の現状
安宗哲也(アイ・エム・エス・ジャパン株式会社)
パネリスト:
栗山 猛(独立行政法人国立成育医療研究センター 小児と薬ネットワーク推進室)
松島 学(日本SMO協会/インクロム株式会社)

近年、我が国における国際共同治験の数は益々増加し、法整備、グローバル標準への対応など、国際共同治験に必要なインフラ整備が急速に進んできている。しかしながら、国際的には医薬品開発の生産性は年々低下し、国際共同治験を取り巻く環境も大きく変わろうとしている。このような国際動向の変化を踏まえ、日本における治験も,国際競争力を高めていく努力をさらに継続していく必要があると考えられる。昨年10月に発行された臨床研究・治験活性化5か年計画2012アクションプランにおいても、症例集積性の向上、治験手続きの効率化、コストの適正化、IT技術の更なる活用等に向けた計画が示され、これらの実行は日本の治験のレベルをさらに高めていく上でも重要となっていくものと考えられる。

本シンポジウムでは、臨床研究・治験活性化5か年計画2012アクションプランの紹介に引き続き、国際社会における日本の立ち位置について確認する。その後、治験における日本の国際競争力をさらに高めるための取り組みについて各方面から発表いただき、将来の日本の治験環境をさらに国際競争力のあるものにしていくための方策について現実的な議論をしたい。また、この議論の内容を参加者と共有し、治験依頼者、CRO、医療機関が共通のゴールを持ち,それぞれの現場でのアクションに繋げることができれば幸いである。

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